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資源分別収集の経緯・・・2

家庭から排出される資源物の主なリサイクルルートとしては、行政による資源分別収集のほかに集団回収がある。集団回収は民間の資源回収業者と市民団体の間で経済行為として行われてきたもので、採算に乗らない価値の低い資源は回収対象になりにくい。具体的には昭和50年頃から消費が急増してきた缶やワンウェイびんなどである。空き缶を選別したりプレスする設備はリサイクル業者もほとんど保有していなかったために、民間リサイクルの対象となりにくかった。またウィスキーのワンウェイびんなどは、引き取る業者が少なかった。そこで自治体は、こうした民間の回収に乗らないものを対象として分別収集を始めた。したがって資源分別収集の目的は、主として民間のリサイクルルートに乗りにくい資源をごみにしないことであった。しかし90年代に入って鉄くずや古紙の価格が暴落、低迷するなかで、東京都が紙ごみの増加を懸念して、古紙の分別収集に踏み切った。これをきっかけに大都市での資源分別収集が拡大し、現在では容器包装ごみだけでなく有価性の高い新聞なども自治体の資源化の対象となっている。スチール缶リサイクル協会の調べによると、容器包装以外の古紙類を分別収集の対象としている自治体。 ちなみにリサイクルの業界や廃棄物処理の業界では、「回収」と「収集」という言葉は区別して使っている。すなわち収集はごみを対象とする言葉で、回収は民間の資源回収のことを意味する言葉として使い分けされてきた。したがって自治体のごみ処理事業として資源を集めることは「分別収集」と呼び、民間の事業として資源を集めることは「資源回収」「集団回収」と呼び慣わしてきた。「分別回収」や「行政回収」という言葉もあるが、これは東京23区が空き缶や空きびんの分別収集を始める際に、まだ清掃事業が区に移管される前であったために、「回収」という言葉をあえて使ったことに由来する。リサイクルというのはその前提として、資源となるものを集め、選別し、運搬しやすいように圧縮したり、原料として利用しやすいような形状に加工したりすることが不可欠である。もともと価値の低いものだから、できるだけ効率的にこの一連の作業を行うことが重要になる。また再生資源はそれぞれ別々のルートに乗せなければならない。古紙は古紙問屋、あきびんはびん商、ワンウェイびんはカレット業者、スチール缶は鉄くず業者、アルミ缶は非鉄くず業者と、それぞれ専門の業者があり流通ルートがある。資源分別収集とは、集めた資源をそれぞれのルートに乗せるための前段階の作業である。したがって排出源ではできるだけ品目ごとに区分して出し、集めるときも別々に集めた方が選別の手間がかからず、質の高い資源として売却することが出来る。逆に複数の品目を混合して収集し、あとで選別するという方式もある。分別方式の選択には、収集の効率、後選別のコスト、集積所の規模などを総合的に勘案する必要がある。

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