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資源分別収集の経緯・・・1

ごみを種類ごとに分けて排出することを分別(ぶんべつ)という。分別の目的は、ごみの適正処理をはかることや中間処理の効率化をはかること、収集運搬の効率化をはかること、ごみの資源化をはかること等をあげることができる。わが国では衛生的観点から焼却処理が行われてきたため、焼却処理するごみと焼却できないごみの分別が古くから行われてきた。すなわち適正処理や中間処理の効率化を目的とした分別が古くから行われてきたのである。ちなみに可燃ごみ、不燃ごみ、有害ごみのように、処理を目的とする分別を「処理分別」とし、資源化を目的とする分別を「資源化分別」という。資源化分別は「混ぜればごみ、分ければ資源」という言葉が表しているように、資源化対象物を焼却や埋め立て処分するごみと分別して収集することである。資源分別収集は、昭和50年代初頭に、静岡県沼津市が初めて「資源ごみ」という概念を提唱して今日のような資源物の種類ごとの分別収集を開始したことが嚆矢とされる。また昭和60年頃から、乾電池や蛍光灯など水銀含有製品の処理が問題となり、有害ごみという分別区分が設けられるようになった。資源分別収集は、集積所で資源化対象物を非常に細かく分別することが特徴である。たとえば空きびんは種類別、色別に分別するなど、精度の高い分別を行うことで資源としての価値を損なわないように(すなわち高く売れるように)工夫した。沼津市に学んだ都市は多く、アメリカのカーブサイド・コレクション(curbside collection)にも影響を与えた。資源分別収集が全国に普及する過程で、様々な技術開発や現場での工夫が行われた。例えば容器である。びんや缶を回収するための適当な容器がなかったために、自治体によっては独自に開発したところもある。ごみはパッカー車で収集して焼却工場などにダンプするだけだが、資源物の場合は汚さないようにあるいは割らないように、丁寧に扱わなければならない。そのための車両やハンドリングのためにパレットやフォークリフトを導入するなど、現場にとってはまったく異質の作業を取り入れる必要があった。こうした現場でのノウハウが蓄積されるにつれて、資源分別収集の普及に弾みがつき、容器包装リサイクル法では自治体の分別収集を前提とした制度設計が行われるに至ったのである。

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