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2R(Reduce, Reuse)の推進

容リ法施行後、リサイクルは着実に進展して きましたが、リサイクルに優先するとされてい る発生抑制(Reduce)、再利用(Reuse)の進展 は、不十分でした。2006年に容リ法が改正さ れ、小売店でのレジ袋を削減する取り組みが広 がりました。生協では、それ以前からレジ袋を 有料で販売するなどの取り組みは進んでいまし たが、一般のスーパー等での取り組みはほとん ど見られませんでした。現在、全国47都道府 県すべてで、何らかの方法によりレジ袋削減の 取り組みが行われており、政令市・中核市・特 別区では9割近くに上ります*5。 容リ法改正時の議論では、レジ袋の無料配付 の禁止、有料販売の義務づけなどの提案もあり ましたが、法規制は難しいということから、地域 ごとに、住民、小売事業者、行政などでレジ袋削 減推進協議会(以下、協議会)を設立し、協定を 結ぶなど自主的取り組みとして推進することと なりました。このような形態をとった理由は、 小売業にとってのレジ袋有料化の最大の懸念事 項が、競合店がレジ袋を無料配付することで顧 客を奪われるのではないかということがあった からです。個別店舗の商圏を超える範囲で競合 する店舗が一斉に有料化に踏み切ればこの問題 は解決します。また、顧客から苦情を受ける懸 念に関しても地域住民団体、行政による広報、 啓発活動でカバーできるからです。 地域の協議会による取り組みは、全国的に拡 大し、レジ袋削減で大きな成果を上げましたが、 課題もありました。それは、一部の小売事業者 が協議会に参加しないケースがあることです。 小売業は新規参入の激しい業界で、新規参入事 業者が競合店との競争を重視してレジ袋の無料 配付を行うケースも少なくありません。また、全国的に普及した段階での課題として、 小売事業者側は事業者、担当者が入れ替わる一 方で、住民団体の多くでは、若い世代の参加が 進まず、協議会設立当初の熱意を保つことが難 しく、解散してしまった協議会もあります。 世界に目を転じると、レジ袋無料配付の禁止、 有料化の義務づけなどの法規制による事例も多 くあります。アメリカでは2015年に4900万 人を超える人々がレジ袋の有料化もしくは、使 用禁止が行われている自治体に住んでいます。 イングランドの大型小売店では、2015年10月 より使い捨てのレジ袋に対して5ペンス(約8 円)の税金をかけています*6。ドイツでは、ほ とんどのスーパーでレジ袋を1枚5?10セン ト(約6?12円)で販売しています。 日本における協議会方式による取り組みは大 きな成果を上げましたが、さらに削減を大きく 進めるためには、レジ袋税等の法的規制などを 検討するほか、現在の方式の実績を分析し、さ らに対象を拡大し、容器包装廃棄物の2R(Reduce, Reuse)の推進に向けて地域連携を深め てゆくことが必要です。

 

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