ブログ

アメリカの環境税

アメリカの環境政策のひとつとして、環境税を挙げる。その中でも、日本においても実現可能であるだろう、原料税、廃棄物税に焦点を当ててみる。ここでの原料税とは、石油と化学原料にかかる個別消費税であり、石油税と化学原料税からなっている。課税根拠として、汚染者負担原則を念頭に置いた環境コストの内部化があった。無論、課税対象者となった石油、化学両業界は反発したが、すでに導入された税が廃止になる可能性は小さいなどの理由で、強い否定はなかった。次に、廃棄物税だが、これは先に述べた原料税の代替案として考えられた。課税根拠は原料税とほぼ同じで、汚染者負担原則と環境コストの内部化であった。廃棄物税は文字通り廃棄物に課す税であるが、廃棄物の生成自体に税を課し、広い課税ベースをとる廃棄物生成税と、特定の廃棄方法に課す廃棄物廃棄税に分けられる。これらの税はともに、汚染者負担の原則として制定されている。このような税が定められるとき、汚染者負担を第一に考えることは国民の支持も得やすいだろし、当然と考える人も多い。石油などのエネルギーに課税されると、それは価格としてわれわれ一般の人間にも影響があり反対する声も少なくないだろうが、それを使うことにより、われわれも汚染者であるということを意思気付けることが少なからずできるはずである。現在の日本にはこういった目的での「環境税」というものはない。しかし、過去に起こしたものや、現在進んでいる環境汚染を改善するための新たな財源として、このような「環境税」を考えていく必要がある。バーゼル条約による有害廃棄物規制とは、有害廃棄物を積んだ貨物船による海洋への不法投棄や、発展途上国への不法投棄により、環境や公衆衛生に損害を与えるという事例があり、このような状況に対し、OECDやUNEPで検討が行われ、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」として、1989年に採択されたものである。有害廃棄物が他国に不法投棄されると、当然その場所は汚染されていき、次第に広い範囲での汚染へと拡大する。そうなると、その地域での生活ができなくなるだけでなく、最悪の場合、人体に影響を与える危険性も出てくる。また、海洋への不法投棄が仮に医療廃棄物だとすれば、何らかの病原菌に感染の恐れがあるものが海岸に打ち上げられ、その地域の人へ感染する可能性も十分にありえる。そのため、このバーゼル条約の役割とは世界単位で大きいものであるといえる。

関連記事

ページ上部へ戻る