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東京23区ごみ処理の仕組み

ルール破りがどんな結果を招くのか、ごみ処理の仕組みを考えてみた。東京の不燃ごみは、東京湾にある中央防波堤埋め立て処分場へ運ばれて、埋められる。運ぶ回数を減らすため、都内10カ所(2008年度末に5カ所廃止)の中継所で圧縮処理し、体積を6分の1から9分の1程度に小さくする。この作業を手がける新宿中継所のによると、ルール違反のごみを取り除かず、そのまま圧縮している。そのため「ガスを抜いていないガスボンベ、スプレー缶による火災が頻繁に発生し、1台1千万円もする新車の収集車が廃車になったこともある」という。東京23区清掃一部事務組合によると、分別をきちんとすれば、ごみ処分場の寿命を50年に延ばすことができる、という。東京湾にはこれ以上処分場を作れないだろう。人の命とごみ処分場の使用可能期間にかかわる問題であり、一人一人がごみの行く末をイメージしながらきちんと分けて出す必要がある、と思う。では、プラスチックの分別で迷った場合、どうすればいいのか。可燃ごみを処理する目黒清掃工場は、「迷ったら、全部可燃ごみとして出せばよい」と教えてくれた。「プラスチックは、800度以上で焼却すればダイオキシンなどの有害物質を出すこともない。高い熱量を発するので、サーマルリサイクルによってより多くの電力や温水が生み出され、それがお金に変わる。金属等が混じっていても年2回の焼却炉の定期点検時に排出できる」という。 ところが、不燃ごみとして出せば、リサイクルできないばかりか、処理経費(コスト)が余分に必要となり、最終処分場の使用可能期間も短くしてしまう。収集車1台(1トン)分の収集・運搬・処理に56,405円の税金が使われている。こうした仕組みをきちんと知って、賢い排出者になろうではないか。ごみは出すまでが勝負だ。余裕があればできるだけていねいに分別し、余裕がなければ、金属等だけ不燃物に分けてあとはすべて可燃ごみ。これならだれでもできそうである。

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