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ペットボトルとキャップ・・・2

回収されたペットボトルは一旦運びやすいようにプレスされ(しないケースもある)、リサイクル工場に運ばれてから機械を使って金属片などの異物を除去します。その後にバラバラに破砕され、洗浄されます。また、破砕洗浄に合わせてキャップとボトルの比重分離が行われ、キャップのプラスチックとボトルのプラスチックが分別された状態で集められ、プラスチック製品を作る工場へと送られます。そうです。キャップとボトルは工場で分離できるのです。実は、キャップに使われているプラスチックであるポリプロピレン(PP)とポリエチレン(PE)は水より軽く、一方でボトルに使われているポリエチレンテレフタレート(PET)は水より重いのです。つまり、水に浮くか沈むかでキャップとボトルの素材は分離可能です。試しにペットボトルとキャップを水の中に沈めて見て下さい。キャップは浮いてきますが、ボトルは沈んでいくはずです。ただ、ボトルの中に空気が入っているとボトルも浮いてくるので気をつけて下さい。工場ではバラバラにされてから分離されるので問題ありませんね。また、金属とプラスチックの性質が全く異なることから分離は容易で、上図のように海外のリサイクルボックスではまとめて回収してしまうケースも多いです。日本と海外ではゴミの流通システムが違うので真似出来ませんが、まとめて捨てられるなら捨てられた方が効率は良いですね。さらに、キャップを外すとボトル側に残る開封確認リングはボトルから外せないことが多く、廃棄時にリングを完全に外してリサイクルするのは困難です。工場側でキャップ素材とボトル素材を分別するシステムがなければ結局のところキャップの素材が多少ボトルに混ざることになってしまうため、品質の高いプラスチック製品は作れません。キャップとボトルが分類できると聞くと、「ペットボトルとキャップは素材が違うから分けて回収する」のだと思っていた方は少し驚くかもしれません。もちろん、それも間違いではありません。比重分離が行われると言っても100%完璧ではありませんし、キャップ素材が少なければ少ないほど作業の効率や品質は良くなります。ただ、「多少混ざっていても良いなら分別する意味がない」と思うでしょう。確かに実際のリサイクル過程だけを見ると、キャップが多少混ざっていたところで問題はありません。しかし、ゴミの回収からリサイクル工場に送られるまでの過程を見ると、なかなかそうも言えないのです。

 

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