ブログ

プラスチックが「可燃ごみ」に

リサイクルを推進するために、地方自治体は分別回収をしています。そのような中、東京都23区のように、これまで「不燃ごみ」扱いだったプラスチックが「可燃ごみ」として収集されるようになった地方自治体もあらわれてきました。今まで燃やさなかったプラスチックを燃やすようになったのは、なぜでしょうか?環境省は、2005年5月に「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する総合的かつ計画的な推進をはかるための基本的な方針」の中で、プラスチックはできる限り「資源ごみ」に分別し、資源にならないプラスチックについては、「可燃ごみ」として燃やすこと、そして燃やす際の熱を発電などのエネルギーとして使うことをすすめています。プラスチックのリサイクルと焼却は、ゴミの量を減らすことができ、埋め立て地不足の問題に貢献できます。また、ゴミを燃やすと発生する排気ガスに関しては、有害なガスが漏れ出さないよう、煤じん、硫黄酸化物、塩化水素の4物質について排出基準を定めて、しっかりと管理されています。なぜ地域によってプラスチックが「燃えるゴミ」だったり「燃えないゴミ」だったりするのでしょうか?たとえばスーパーなどでもらうポリ袋はプラスチックの一種の「ポリエチレン」という物質からできています。ポリエチレンは、塩化ビニールと違って塩素を含んでいないので、焼却しても有害な塩化水素などを発生せず、ダイオキシンを直接的に発生することもありません。しかし、ポリエチレンを「不燃ごみ」に区分している市町村があります。これは、ポリエチレンを焼却する際に、焼却炉の中の温度が高くなり、焼却炉が傷むという問題があるからです。プラスチックを燃やすことで焼却炉が傷んでしまうという地域では「不燃ごみ」として分類しています。しかし現在では、焼却温度が高くても大丈夫な焼却炉も多くなりました。この地域の場合は「可燃ごみ」となるわけです。また、最近問題になっているダイオキシンについても、ゴミの分別がかかわっています。ダイオキシンの生成を防ぐには、ダイオキシンの原料となる塩素を含むものを燃やさないか、あるいは焼却炉を800℃以上の温度に保ち、排気ガスを100℃以下に急冷する必要があります。プラスチックには、塩化ビニールを含むものが多いため、ゴミに塩素を含まないようにすることは困難です。そのため、もっぱら焼却炉にダイオキシン対策をする方法がとられることになります。このような理由から、焼却炉が800℃以上の温度を保って燃焼することができる設備を整えた地域ではプラスチックが「可燃ごみ」になるのです。

 

関連記事

ページ上部へ戻る