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処理上の添加剤等の問題

プラスチックには、可塑剤・安定剤などの添加物や印刷に使用される塗料に有害物質が使用されている場合がある。プラスチックは、スーパーやコンビニエンスストアで使用されている買い物袋や家庭で使用されるラップ類のようなもの、弁当の容器や卵のパックのようなフィルム・シート状のもの、ボールペンの軸や各種の玩具等々の硬質のものなど、その種類や用途はきわめて多岐にわたっている。プラスチックがわれわれの日常生活に広範に入り込んできた理由には、そうしたプラスチックの性質が多様性であるが背景にあるが、それを支えているのは、プラスチックのさまざまな特性を引き出し、または強化する ための各種の添加剤の存在が大きい。  通常使用する段階においては、おおむねその性質は安定しているため、直接的に人体や環境に影響を与えることは少ないものと思われるが、廃棄にあたって焼却・圧縮などの処理が施される際に、それらの添加物が、直接もしくは化学変化を経て人体や環境に影響を 与える可能性が指摘されている。 家庭から出る不燃ごみを圧縮する杉並区の中間処理工場では、中間処理工場の 周辺住民に健康被害が出ているという報道もある。これについて東京との清 掃局は、健康被害と中間処理工場との因果関係を否定しており、必ずしも被害の原因が特定されたわけではない。しかしながら、被害を調査している研究者の意見は、不燃物中のプラスチックに含まれる各種の添加剤が、圧縮によって化学反応を起こすなどによって大気中に拡散し、周辺住民に各種の健康被害をもたらしている可能性が高いというものであ る。研究者グループによる調査の結果、400 種類もの化学物質が排出され、その中にはシア ンやクロロホルムなどの劇物も含まれているという。 このように、プラスチック処理は、圧縮過程ですらきわめてリスクの高いものであるということだが、それの主要な原因は、プラスチックのさまざまな特性を引き出すための添 加剤なのである。当然、圧縮過程のみならず、焼却過程においても、添加剤に起因する環境汚染の可能性は指摘されている。特に、焼却灰中に残る重金属類の問題は、焼却処理上の課題となっているが、プラスチックの添加剤や印刷に使用されたインクの中に重金属が含まれる場合もあり、プラスチックの焼却がそれに寄与するといわれている。先にダイオキシンの問題に触れたが、焼却炉は巨大な化学反応炉であるといわれる。雑多な物質を混合して焼却している今日のごみ焼却炉においては、いかなる化学反応が起きているのかをすべて正確に知ることは難しいという。環境ホルモンなど、人体に影響を与える可能性のある化学物質の存在も指摘されており、また、それらの物質の存在と人体や環境に対する影響は一部しか解明されていない。そのような物質がごみ焼却によって発生している可能性もゼロではな いのである。

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