ブログ

家庭ごみの現状と問題点

日本のごみは、どのような状況にあるのでしょうか。ごみは、消費生活から生じ る一般廃棄物と生産過程での産業廃棄物に分類されます。私たちが日常の生活にお いてつくりだすごみは、事業系のごみとともに、一般廃棄物です。日本の一般廃棄 物量の年次変化をみてみると、総排出量と1人1日当りの排出量は、いずれも、昭和3 0年代の高度成長期から昭和49年石油危機直前にかけて急増しました。昭和40年には 1人当り0.7kgであったごみ排出量は、昭和50年代には1kgに達しました。平成に はいると1.1kgとなり、ほぼ横ばいに推移しています(家庭からのごみは、このう ち66%ほどと推定されます)。さらに、地域別にみた場合、都市部ほど、ごみの 量は多くなっています。 このようなごみ量の変化は、GDPの変化とそれに伴う日本人の生活の仕方(ライ フスタイル)の変化を反映しています。つまり、多量のモノを生産し、消費するラ イフスタイルが、ごみの増大をもたらしたのです。事実、昭和50年、58年の石油シ ョック時には、ごみの排出量は一時的に減少しました。愛知県のごみも、日本全体 の場合と同様と考えてよいでしょう。環境問題に対して、法的規制はきわめて有効です。環境問題は、生産、消費という 人間の基本的活動から生じていて、その活動を規制できるからです。よく知られてい るように、ごみのポイ捨てに高額の罰金が課せられるシンガポールは、驚くほど美しい街です。また、行政が行っているごみ処理(収集、処分)の費用を10倍にすれば、 巨大都市のごみ問題も解決します・・・・・摩天楼がそびえ立つニューヨークの街角 には、ごみがうず高くつもり、吹き抜ける風が路上の紙くずを木の葉のように舞い上 がらせている・・・・・映画に出てくるような光景は、もうニューヨークでは見られ ません。ニューヨーク市が、長年にわたって、ごみと治安対策に、膨大な予算をつぎ 込んできたからです。  しかし、人間の活動を強制的に制約するやり方が、すっきりとした解決につながる とは思えません。また、行政サービスの増大は、結局、税金の投入を増やすだけであ り、根本的な解決とはならないでしょう。

 

関連記事

ページ上部へ戻る