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中国で深刻化するゴミ問題

急速な経済成長を遂げた中国では日々大量に発生するゴミをどう処理するかが問題になっている。埋め立てを主要なゴミ処理法とする中国で現在議論の的になっているのが「焼却場」を大々的に増やす計画だ。中国メディアの点緑網はこのほど、焼却方式の割り合いを大きく増やす際には日本から学ぶべき重要な点があると論じている。中国のゴミの量は毎年10%の割合で増加しており、2030年までに毎年4億8000万トンもの量に達する見込みであると記事は説明。また北京市の場合、16の埋め立て場のゴミ処理能力は1日あたり1万300トンであるのに対して、1日に発生するゴミの量は1万8400トンと8000トンも処理能力が足りていない。また4年後には北京のすべての埋め立て場はいっぱいになる見込みだ。中国が埋め立てを主要なゴミ処理方法として用いているのはコストが低く、簡便だからだが、このままではゴミ処理能力がゴミの量に追い付かないため、ゴミの量や容積を減らせる「焼却」が脚光を浴びていると記事は説明。しかし焼却には「ダイオキシンの発生」という別の問題が存在する。一部ではダイオキシンは以前考えらえていたような猛毒ではないという分析もあるが、記事は猛毒であるという見方を支持。また北京の生活ゴミの80%は燃えないゴミであるため、もしそのまま焼却処理されるなら間違いなくダイオキシンの大量発生につながるだろう。こうした理由で記事は「日本の徹底したゴミの分別とリサイクル」に注目している。燃えるゴミだけを焼却するならばダイオキシンの発生量をかなり低減できる。しかも燃えるゴミだけを燃焼させるので焼却温度は高くなりダイオキシンを分解するのに必要な高い温度を得やすいというメリットがあると説明した。また日本の徹底したゴミの分別とリサイクルは焼却場の数を少なくする効果もあると記事は指摘。日本はかつて6000あまりの大小の焼却場を有していたが、ゴミ分別とリサイクルの実施により現在は1490あまりにまで減少し、環境保護につなげていると高く評価した。記事は中国の焼却炉技術が成熟していないことを認めている。それでも徹底したゴミ分別とリサイクルは中国全土に広く焼却方式を導入するための「非常に重要なステップ」であると記事は指摘している。環境汚染が深刻化する中国では一刻も早く解決に向けた取り組みを始めることが求められている。2017年最後の更新です、1年間ありがとうございました。

 

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