ブログ

プラスチック廃棄物処理

ごみ処理に関わる問題は多岐にわたり、その解決にはさまざまな工夫と努力が必要とされるが、プラスチック廃棄物の処理は、その中でも最重要課題のひとつである。中でも、家庭から排出されるプラスチック廃棄物の処理についてさまざまな問題が指摘されるよう になっている。 日本において排出される廃プラスチックのほぼ半量が家庭系であり、また、その多くが容器包装である。また、われわれの生活がプラスチックに依存する度合いは年々高まっており、それとともに排出される廃プラスチックの量も増加傾向で推移してきている。した がって、家庭系廃プラスチックの処理システムの整備は急務である。 しかしながら、それには多くの困難が存在している。本稿では、プラスチック廃棄物、特に家庭から排出されるプラスチック廃棄物を処理する上で何が問題となっているのかを整理した上で、どのような対処の可能性があるのかについて簡単な考察を加えていこうと 思う。プラスチックの利点は、なんといっても物質的に安定しているという点に求められる。プラスチックはさまざまな種類があり、それぞれの性質にしたがってさまざまな用途に使用されている。種類により、光に弱かったり、燃えやすかったりというものも存在するが、 基本的には長期間の使用に耐えるだけの物質的な安定性を持ったものが多い。  しかしながら、こうした性質が、廃棄の段階においてはむしろマイナス面として出てくる。生ごみや紙ごみといった生分解性の廃棄物においては、時間の経過とともに分解して土や大気に還っていくが、プラスチックごみは、土中に廃棄された場合には半永久的に元のまま残り続ける。プラスチック廃棄物は、重量の割に容積をとるという点も問題点として指摘される。次の焼却処理上の問題点とも関連して、焼却せずに焼却不適物として埋め立て処理を選択してきた自治体も多く存在していたが、その一方で、埋め立て処理は最終処分場の延命の観点からマイナスと判断する自治体もあり、その取り扱いは一様ではなかった。水分の多い家庭ごみを焼却するのに重油などの助燃剤を使用していた自治体では、プラスチック廃棄物がその代わりになるということで、「歓迎」していた自治体もあった。80 年代以降、最終処分場の確保が問題化して以降、プラスチック廃棄物の取り扱いが再 び課題となり、今日に至っている。旧厚生省は、排出されたプラスチックはなるべく焼却するようガイドラインを出していた。プラスチック焼却は「無害」であるというのが建前で はあるが、やはり逼迫する最終処分場の問題への対応という側面も否めない。 いずれにせよ、プラスチックの難分解性・安定性という材質としてのメリットは、廃棄 物になったとたんにマイナス面となるのである。

 

関連記事

ページ上部へ戻る